幹福祉会は
「障害者自身がサービスの担い手になる」
という自立生活センターの考え方を基本理念としています。
1980年代から、障害者が家族や施設の庇護のもとから出て自らの意思によって地域で暮らす自立生活運動が大きな広がりをもって展開されるようになりました。そうした流れの中で、障害者の自立生活を支える介助体制も公私ともに除々に整備されていきました。
しかし自立生活を支えるためには、まだ不充分であった為、障害当事者の視点に立った在宅福祉の充実の必要性を感じた自立生活センターが中心になり幹福祉会は設立されました。
幹福祉会の理事・評議員・監事等の役員は、障害当事者・障害児者の家族・自立生活センターの関係者が中心となって構成されており、当事者主体のサービスを実践しています。
自立生活センターとは…
自立生活センターは、自立生活の理念を実現させる最も有効な手段として、サービス事業体であると同時に運動体という形態をとっています。
かつて障害者を援けられるのは医者、OT、PT、カウンセラー等専門家だけだと考えられてきました。しかし1972年カリフォルニア州バークレーに障害者が運営し、障害者にサービスを提供する”自立生活センター”が設立されました。
自立生活センターが提供するサービスを利用することにより、重度の障害があっても地域で自立して生活することが可能となりました。自立生活センターは一定地域の障害者すべてに、障害種別を問わず総合的なサービスを提供します。 現在、世界各国に自立生活センターが設立されています。自立生活センターは、運営委員の過半数と事業実施責任者が障害者である、という利用者のニーズが運営の基本となるシステムを持っています。その理由は、能率や効率を重視するこの社会の中で、ともすれば忘れられがちなハンディをもつ人たちの権利を、組織の利益よりも優先させる方法として最も優れているからです。
重度の障害者が暮らしやすい社会は、誰にとっても暮らしやすいわけですが、その人たちが暮らすためには良いサービスがその地域に存在している必要があります。しかし良いサービスは、黙っていたのではできません。その必要性のある人が行政に訴えていくこと(ニーズの顕在化)と、そのサービスを提供できる事業体をわれわれ自身の手で作り上げる方法が近道です。そしてその事業体を行政が支援することが最も効率の良い方法です。
障害者自身がサービスの利用者から担い手に代わっていくことが、最も良い社会サービスを提供していく最良の手段であることは明らかです。
事実、世界中で事業体としての自立生活センターがあり、運動のあるところでは、決まって最上の社会サービスが提供されています。(全国自立生活センター協議会)